短編 | ナノ


▼ 尊猿






いつも尊さんが寝ている二階に上がり、性交を迫ったのはいつからだっただろうか。今では忘れてしまうくらいに何度も身体を重ねた。苦手な部類に入るこの人に乱暴に抱かれるのが、癖になってしまっていた。とんでもない悪癖だとはわかっていたけど、やめられなかった。

「あっ、あんっ、ぁ、みこ、とさ、ンぅ、ううんっ…!」

ぴゅくりと精液がまた俺の腹を汚し、羞恥心にまた背筋がぞくりとする。

「また出したのか…俺とのセックス、そんなにイイのか?」
「ぁぅんっ…イイ、いーよぉっ…!好きぃっ…、好きッ…」
「…とんでもねぇ淫乱だな」
「あ、あ…ッあ!ん…ィあッ!」

びゅぷっびゅびゅっ、

鈴口を軽く引っ掛かれただけで、薄くなった 精液が尊さんの手を白く染めた。 背面座位で後ろからズチュズチュと突き上げられ、片手は性器を、もう片手は乳首を捏ねるので先走りなのだけど漏らしてるみたいに射精が止まらない。
元々俺は快感に人一倍敏感の様で、尻で感じる快感を覚えてからたまに適当に男を引っ掛けて精根尽きるまでヤッていた。
早漏なやつ、SMが好きなやつ、異様にフェチの多い変態、色々いたが、その中でも頭が回らなくなるくらい快感をくれるのが尊さんだった。躊躇なく乱暴に抱いてくれるそれが、堪らないのだ。

「考え事かよ、伏見?」
「ぅっ、はぁんっ…ッ」

咎めるみたいな囁きとともに結合部を指で辿 られ、喉が緩くのけ反る。ぐっぽりと奥深くま で尊さんのデカいものを咀嚼しているアナルは、喜んで後ろをキュッ、と締め付けた。性的欲求を遠慮なくぶつける腰、息遣い、脈打ってるペニス、掠れた耳に響く声。全てが俺の背徳感を煽り、興奮させた。

「伏見…」
「…っん、」

無理矢理振り返させられ、きつい体勢になって口付けを交わされる。ゆるゆると咥内をまさぐられ、合わせて俺も舌を動かす。ふと美咲がこのことを知ったらどう思うだろうな、なんて考えたらまた後孔がすぼまった。

「尊さ、尊さん、中に出してぇっ…?」
「…ダメだ」
「やぁ、やだぁ!んっ…どろどろした、あちゅいの、ぉ…俺の中に、注いで…」
「……もうお前黙れ」

俺のナカで尊さんのモノがまた膨らみを増したのがわかり笑みが溢れる。限界が近いのか、ぐっと俺の太ももを指が食い込むほどに掴んで律動を速めた。

「あっ、ぁ、ァう、ん、ひぃ、気持ち、ぃン、尊さ、の俺の中でいっぱい、」
「…っ、こっちが恥ずかしくなる、全く」

頂戴、頂戴と強請り続ければ根負けした尊さんがわかったよ、と俺の髪の毛をぐいっと掴んだ。

感じ過ぎて、呂律が回らない。背後から回された手が陰毛を撫でたりめちゃくちゃに陰嚢を揉みしだけばもう我慢できなくて。

「オラ、沢山注いでやるよ。てめーの好きなやつ。」
「ぁっ…嬉し、ア! 激しっ、あっあっぃ いっ! イクぅっ、ァん!イクっイクぅっあ、 みことしゃ、あ、ぁあああああーッ」
「ぐッ…!」

前立腺を擦りあげてガツンと最奥を暴く性器に耐えられず、絶頂を迎えた。尊さんのソレが俺のナカでどくりどくりと脈打っているのがわかり、広がる暖かさに嬉しくなった。
途端、全身の力が抜けて、背後にいる尊さんにもたれかかった。それを無言で抱きとめて、まだ射精の余韻に声を上げてビクつかせる俺の身体を優しく撫で、背中にキスをした。

「ぁ、…ぁ…やだ、」
「なんで優しくされんのは嫌がんだよ」

だってそんなもの、求めてない。俺が欲しいのは、溺れてしまうくらいの快楽と、苦しさ。





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